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2026年07月09日

大昔に貸した土地、どうなるの? No.1,513

おかげさまです。
不動産コンサルティングマスター・土地家屋調査士の村上哲也です。

【お悩み】
「大昔に土地を貸して、土地の賃借人が建物を建てていて、ずっと貸主は地代をもらっているのだが、現代になって、賃料の相場が合致しなくなってきたことから、賃料を上げたいから、今の土地の賃貸借契約を解約して、新たな契約をまき直ししたいのだが、それはできるのだろうか?法律の強行規定にひっかかる気がするのだが、どうだろう?」

【アドバイス】
結論から申し上げますと、「賃料(地代)の相場が合わなくなったから」という理由だけで、現在の土地の賃貸借契約を一方的に解約することは原則としてできません。借地人を強力に保護する法律の強行規定に抵触するためです。

現在の状況と、賃料を上げるためにとるべき法的手段について以下に解説します。

1. 契約の解約ができない理由(強行規定の壁)
建物の所有を目的とする土地の賃貸借には、借地借家法(大昔からの契約であれば旧借地法)が適用されます。これらの法律は借地人(借り手)の生活や営業の基盤を守るため、貸主からの解約や更新拒絶を厳しく制限しています。※平成4年(1992年)7月31日以前の契約は、旧借地法を適用

契約期間が満了した際、貸主が契約の更新を拒絶するには「正当事由」が必要です(借地借家法第6条など)。正当事由は、貸主がその土地をどうしても使わなければならない事情などを総合的に考慮して判断されます。「地代が相場より安いから」という理由は、正当事由としては極めて弱く、それ単独で解約が認められることは裁判実務上ほぼありません。

借地借家法(および旧借地法)において、借地人に不利な特約は無効となります(借地借家法第9条など)。したがって、仮に過去の契約書に「貸主はいつでも解約できる」「地代に不満があれば解約できる」と書かれていたとしても、その条項は無効となります。

賃借人が現在の契約に基づく地代を滞りなく支払っている以上、債務不履行(契約違反)を理由とした解除もできません。


2. 本来とるべき手段:「地代等増額請求」
契約を解約するのではなく、法律に基づいて地代の増額を求めるのが正しいアプローチとなります。借地借家法第11条(旧借地法第12条)には、地代等増額請求権が定められています。

以下の要件のいずれかに該当し、現在の地代が「不相当」になった場合に請求が可能です。

・土地に対する租税その他の公課(固定資産税や都市計画税など)が増加した
・土地の価格が上昇した、その他の経済事情の変動があった
・近隣の類似した土地の地代と比較して安すぎる(相場との乖離)


3. 地代増額に向けた具体的な手続きのステップ
地代増額請求は、貸主からの一方的な通知で効力は生じますが、最終的な金額は以下のプロセスを経て決定されます。

ステップ1:当事者間での協議(話し合い) まずは借地人に対し、周辺相場や固定資産税の変動などを根拠に、地代増額の通知(内容証明郵便などが望ましい)を行い、協議を申し入れます。

ステップ2:民事調停(地代地代等増減請求事件) 話し合いで合意できない場合、いきなり裁判を起こすことはできず、必ず裁判所に「調停」を申し立てる必要があります(調停前置主義)。調停委員を交えて話し合いを行います。

ステップ3:訴訟(裁判) 調停でも合意に至らなかった(調停不成立)場合に、初めて裁判を起こすことができます。裁判では、裁判所が不動産鑑定士による鑑定結果などを踏まえて、適正な地代を判決で決定します。




めちゃくちゃ、たま~に、こういったご相談を受けます。
「お爺さんのそのまたお爺さんが、大昔にやったことだから、
私(相続人)、なんちゃわからんのやけど・・・。めちゃくちゃ古いが家が何軒か建ってて、
もうそこの土地、いいかげん、もう売りたいんやけど、次また相続したら大変でしょ・・・」
って。

借地権がかなり強力ですから、定期借地権は、貸主保護という立法趣旨で作られました。
パチンコ屋さんが、ぽつりぽつりと消えていってますが、みんなどなんしよんでしょうね。






写真は、本文と一切関係ありません。
ただの私の願望です。
「福よし流」です。





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